200325|プレスリリース|水産総合研究センター

プレスリリース

平成20年3月25日
独立行政法人水産総合研究センター
環境条件の制御によるカンパチの早期人工種苗生産に成功
~カンパチ養殖業に大きな進展~


 近年、カンパチ養殖が注目を集めていますが、養殖種苗のほとんどは中国からの輸入に頼っています。 こうした状況の中、食の安全・安心の観点から、国内での低コストの種苗生産技術の開発が求められています。

 日本でのカンパチの人工種苗生産は、従来5~6月に養成親魚から採卵し行っています。種苗生産における問題点は、飼育初期における大量死亡、全長約15mmから始まる共食いであり、最終的な人工種苗の生残率は0~5%程度と、生残率の向上が大きな課題でした。

 独立行政法人水産総合研究センターでは、平成18年度から実施している先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「カンパチ種苗の国産化及び低コスト・低環境負荷型養殖技術の開発」において、カンパチ養成親魚の飼育環境条件(特に日長と水温)を制御することによって成熟促進を図り、平成19年12月下旬という従前(5~6月)よりも早期の採卵に成功しました。 この受精卵を用いて、平成20年1月末に全長約28mmの人工種苗約1.3万尾(生残率7.6%)の生産にも成功しました。 本種苗は本年3月末には全長約20cm(体重で100g程度)に達することが見込まれています。 また、中国産天然種苗と比較してもサイズの点で勝る種苗に成長させることができることに加え、春から秋の高成長が期待できることから、養殖期間の短縮による大幅なコスト削減が実現でき、この技術を用いた人工種苗を大量かつ安定的に生産することにより、カンパチ養殖業は大きな進展をするものと見込まれます。

 なお、本研究に関連する詳しい内容は東海大学海洋学部で開催される日本水産学会で発表する予定です(3月28日(金)、第7会場、講演番号720)。


 (別紙資料
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
養殖研究所 栽培技術開発センター長 虫明敬一 TEL:0972-32-2125
      栽培技術研究グループ 主任技術開発員 照屋和久 TEL:0972-32-2125
                      主任技術開発員 濱田和久 TEL:0880-72-1207