大型クラゲ情報

令和元年7月26日
国立研究開発法人水産研究・教育機構
大型クラゲの出現状況(国際フェリー調査結果等)について-第2報-

1.大型クラゲの出現情報

(1) 東シナ海における調査船による目視調査結果※1

1) 実施期間 令和元年6月24日~30日
  結果 東シナ海西部の17地点での出現量(平均密度)0.69個体/100m2
 昨年同期の結果(0.024個体/100m2)よりかなり多い。

(2) 東シナ海における国際フェリー(大阪-中国・上海)による目視調査結果※1

1) 実施期間 令和元年7月2日~3日
 結果 東シナ海における出現量(平均密度)0.13個体/100m2
2) 実施期間 令和元年7月16日~17日
 結果 東シナ海における出現量(平均密度)0.0057個体/100m2
 7月上旬は昨年同時期の結果(0.0019個体/100m2)よりかなり多いが、7月中旬は減少している。

(3) 黄海における国際フェリー(韓国・仁川-中国・連雲港)による目視調査結果※1

1) 実施期間 令和元年7月6日~8日
 結果 黄海における出現量(平均密度)0.0008個体/100m2
2) 実施期間 令和元年7月16日~18日
 結果 黄海における出現量(平均密度)0.0042個体/100m2
 7月上旬から中旬で増加し、7月中旬は昨年同時期の結果(0.0013個体/100m2)より多い。

(4) 対馬海峡における国際フェリー(博多-釜山航路)による目視調査結果※1

1) 実施期間 令和元年7月9日
 結果 対馬海峡東水道で303個体、西水道で31個体(傘径30~80cm)を確認した。東水道における出現量(平均密度)0.013個体/100m2。西水道における出現量(平均密度)0.0040個体/100m2
2) 実施期間 令和元年7月23日
 結果 対馬海峡東水道で198個体、西水道で514個体(傘径30~90cm)を確認した。東水道における出現量(平均密度)0.0087個体/100m2。西水道における出現量(平均密度)0.071個体/100m2
 昨年同時期の結果(東水道で1個体、西水道で2個体)より非常に多い。7月上旬は対馬海峡東水道で多いが、7月下旬は西水道で多い。
※1.国立研究開発法人水産研究・教育機構及び国立大学法人広島大学により構成される「大型クラゲ国際共同調査共同研究機関」が実施。

(5) 日本沿岸水域における出現の確認※2

  • 令和元年6月8日に山口県萩市大井湊定置網で出現を確認した(1個体、傘径40cm):本州の定置網で今年初めての出現。
  • 令和元年6月13日に長崎県対馬市豆酘埼定置網で出現を確認した(1個体、傘径30cm):対馬の定置網で今年初めての出現。
  • 令和元年6月19日に長崎県小値賀町斑島定置網で出現を確認した(3個体、傘径50~80cm):五島列島で今年初めての出現。
  • 令和元年6月20日に長崎県壱岐市郷ノ浦定置網で出現を確認した(1個体、傘径30cm):壱岐の定置網で今年初めての出現。
  • 令和元年7月4日に石川県加賀沖金城定置網で出現を確認した(1個体、傘径50cm):石川県の定置網で今年初めての出現。
  • 令和元年7月5日に島根県浜田市定置網で出現を確認した(1個体、傘径50cm):島根県の定置網で今年初めての出現。
  • 令和元年7月14日に島根県江津市嘉久志町定置網で1000個体以上の出現を確認した(1500~2000個体、傘径50~60cm)。
  • 令和元年7月16日に山口県萩市三見定置網で1000個体以上の出現を確認した(1000個体以上、傘径50cm)。
    • ※2.NPO法人水産業・漁村活性化推進機構の委託を受けて、一般社団法人漁業情報サービスセンターがとりまとめた情報による。
      過去に対馬の定置網で確認された日  
      平成21年 6月30日 日本沿岸水域で大型クラゲが大量出現した年
      平成22年 9月17日 日本沿岸水域で大型クラゲの大量出現がなかった年
      平成23年 9月29日
      平成24年 7月24日
      平成25年 7月26日
      平成26年 8月 6日
      平成27年 9月15日
      平成28年 6月28日
      平成29年 7月 5日
      平成30年 6月12日

2.今後の調査計画等

 現時点の大型クラゲの分布状況は、九州北西部、対馬・壱岐、及び山陰~能登半島西部までの日本海沿岸域に出現しており、山陰の一部の定置網では1000個体を超える入網が発生し、漁業活動に影響が生じています。対馬海峡では7月上旬まで東水道から多くの大型クラゲが流入し、それにより山陰沿岸での出現がみられましたが、7月下旬には東水道からの流入量は減少し、西水道から多く流入しています。一方、東シナ海においては7月上旬から中旬にかけて大型クラゲの分布量が大幅に低下し、黄海においては少ない状況が継続しています。このように大型クラゲの出現状況はこれまでの大量出現年とは異なった傾向を示しており、今後の動向には注意が必要です。東水道からの流入量が減少したことから山陰沿岸における出現は徐々に収まってくると考えられますが、一方、西水道から流入した大型クラゲが対馬暖流の沖合分枝流によって沖合から日本沿岸に接近してくる可能性があります。
 今後、対馬暖流沖合分枝流による大型クラゲの各地沿岸への接近状況に注視するとともに、引き続き東シナ海・黄海及び日本海における大型クラゲの出現状況をモニタリング※3し、出現状況に関する情報提供※4を行ってまいります。

※3.主な大型クラゲ出現状況調査の実施予定(8~9月上旬)
(調査船による分布調査)
令和元年9月 上旬 日本海中部海域大型クラゲ分布調査

(国際フェリーによる目視調査)
令和元年8月 上旬 日本−中国間の国際フェリーによる目視調査
令和元年8月 6日 日本−韓国間の国際フェリーによる目視調査
令和元年8月 中旬 日本−中国間の国際フェリーによる目視調査
令和元年8月20日 日本−韓国間の国際フェリーによる目視調査
令和元年9月 3日 日本−韓国間の国際フェリーによる目視調査

※4.大型クラゲ出現状況調査の結果については、以下でお知らせしております。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 URL:http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/
日本海区水産研究所         URL:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/Kurage/kurage_top.html

本件照会先:
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
研究推進部 研究主幹 桑原 TEL 045-227-2714
研究推進部 研究開発コーディネーター 児玉 TEL 045-227-2677
日本海区水産研究所 資源環境部長 渡邊 TEL 025-228-0587